朝日杯FS回顧

 着差が示すように、現時点での完成度と能力により順位が決した。

 珍しくラップ回顧的なものを。今年の朝日杯のラップは次のようなものだった。
12.8-11.5-11.6-11.5-11.6-11.8-11.1-11.8
 前半の5Fが59.0、上がり3Fが34.7。

 昨年のマイネルレコルトが勝ったレースも見ておこう。
12.3-10.8-10.9-11.4-12.0-12.0-11.8-12.2
 前半の5Fが57.4、上がり3Fが36.0。


 勝ったフサイチリシャールは逃げると言われていたスロクハイネスが取り消し、外枠のコマノルカンとタニオブゴールドが必死に抑えてくれたことによって被されることもなく、すんなり2番手をキープ出来たことが勝因。一瞬のギアチェンジではなく、11秒台がずっと続く流れも絶妙。ディープインパクトみたいな馬以外は、この馬のような走りが中山の高速馬場では理想。
 同じクロフネ産駒でもフラムドパシオンと違って後肢がしっかりしている。クロフネ産駒には三種類あって、胸前がガッシリしていかにもパワータイプ(デビューが遅れ気味)、後肢が流れていて腰周りに力のないタイプ(フラムドパシオン、ナイアガラ)、それからフサイチリシャールみたいな胸前が少し立派だけれど後肢も発達していてきっちり立てる馬。個人的には大体この3つに分けている。

 これは母系で分かれていて、最初のはストームキャットダンチヒ系のやはりアメリカ型に多い。次の流れ型はトニービンを代表とするグレイソヴリン系。3つ目はSSを初めとするヘイロー系。
 馬体に関しては、個体評価をするようにしているけれど、まぁ一つの目安かな。フサイチリシャールはまだ稼げると思う。

 スーパーホーネットは若干行きたがったものの許容範囲内。4角でジャリスコとダイアモンドヘッドの間を割っていれば逆転もあったかもしれないが、あの隙間は無理か。外に出した分届かず。
 直線はさすがの斬れ味。今までのロドリゴ産駒にはなかった反応の良さ(笑)陣営によると意外と雨が合わないようで、従来のロドリゴ産駒とは一線を画して考える必要がありそう。

 ジャリスコライトは随所に若さを見せた。ペース、馬場、相手の違い等々、敗因はいくつか挙げられるが「何だかんだでラーイ」という結論かも。これで人気が落ちるようなら逆に買いだとは個人的に思う。最後に、「手ザーモ」に激しくワラタ。

 ショウナンタキオンは休み明けな分、やはり馬体の張りは見劣った。この馬の騎乗としては今回非難する点は特になく、現時点での力差と中山適性の差だろう。共同通信杯の軸予定だから出てこ〜い。

 ダイアモンドヘッドの3歳時はグレイトジャーニー級やな。そこそこの決め手はあるものの、スパッと勝ちきることが出来ず、よく言えば相手なりに走れる。シンザン記念で◎の気持ちがさらに強くなった。出てこ〜い。

 ディープエアーはもう少し前で競馬したかった。この馬には時計が早かったか。直線はよく詰めているし、これまでの競馬から距離も2000mまでならこなせそう。アーリントンCあたりの隙間重賞で。

 ダノンブリエはスタート直後に躓く不利。道中は後方で、直線は内を突いてまずまずの伸び。500万下ぐらいならいつでも勝ち上がれる馬だろう。

 アポロノサトリはESPお得意の出遅れ。さらに大外ブン回しと。何考えて乗っているのか理解出来ない。関東のOP特別級だろう。

 エムエスワールドの前走は短縮+差し回り、武豊、良馬場と全ての条件が揃った感。折り合いに難のある馬だから、今後も短縮で狙い。はまれば1400mのOP特別で。

 レソナルとコマノルカンはダート戻りで。特にコマノルカンの次走は要注目。

 デンシャミチは重賞を勝った分、斤量も重くなるし当分いらないだろう。