競馬専門紙の生き残りを懸けるべき道

 本当は書きたくない事なのだが、ここが適当なタイミングだと思うので書こう。


 既存の競馬予想紙競馬ブックを代表とする)が、確実に減少しつつある市場の中で、生き残るための手。それは、「短期放牧先の調教内容の紙面化」に尽きると思っている。


 これは、もし就職活動の中で、競馬関連の面接等のアピールの場で発言できる機会があるのなら、言いたいと思っていたので、文字にはしてこなかったけれども、カネヒキリの取捨に必要な情報なので、アピールしておく。


 各予想紙の特徴はそれぞれあると思うが、ここ最近の風潮である短期放牧先を利用した中間の調整は、既存の情報紙が維持してきた400円という価格テーブルを確実に破壊している。


 というのも、森厩舎は厩舎回転率をあげるために、トレセンに最低限入厩しなければならない時期を除いては、短期放牧先のグリーンウッドや山元トレセン、それより延びる場合は北海道などへ放牧に出している。当然ながら、そこでも馬に負荷をかける調教は行われている。


 しかし、新聞紙面に載せられる情報は、栗東美浦で行われた調教のみなので、最終追い切りの例えば坂路一本の時計を載せ、「中間に短期放牧先で乗り込んできた」というコメントを載せるだけ。


 これらの情報だけなら、なにも専門紙に400円出さずとも、スポーツ新聞の130円前後で充分に足りるし、あるいは、ネットの馬柱と個々の馬に送られてくる調教時計を載せるサイトで満たせることになる。


 これまでの競馬専門紙の利点とは、スポーツ新聞では載せられない中間の調教過程にあると個人的には思っている(特に競馬ブックに関しては)。その利点、特質が短期放牧の流行に乗り遅れ、発揮できないとすれば、競馬ファンの購買力が落ちて当然であると考えられる。


 ネタを全部出したくもないので、ここからは簡単にまとめるが、売り上げが下がれば当然ながら人件費の削減が選択される。その手先は販売しているおばちゃんなどが最初であろうが、最終的には、取材している記者の削減に行き着くだろうが、私の意見は「今こそ記者の増加をすべき」というものである。


 中央競馬自体がピークの4兆円規模から、2兆円台へと規模縮小している中で、その一端を担う競馬専門紙や関係誌の売り上げが下がることは当然である。しかし、そこでクオリティーを下げるのではなく、いま一人勝ち出来る状況にあるのは、巨大なシェアを誇る競馬ブックであろう。


 もう一ついうと、短期放牧先で「調教メニューを記録していない」というのは、きっちりとした放牧先ならば「ありえない」。トレセンの調教師と短期放牧先は綿密に連絡を取り合い、常に馬の状態を把握しながら、帰厩の時期や状態の確認をしているからだ。


 つまり、その部分の情報を紙面に載せる。それで、今までのクオリティー、特質がやっと維持できる。もし、それが出来れば、今まで400円を払ってきた調教過程重視派は、競馬ブックに傾くに違いないというのが、私の持論なのだ。


 今のままの専門紙ならば、特に400円を払う価値がないに等しくなっている。それがカネヒキリの取捨に関わるのだが。

 前走JCD後に山元トレセンに短期放牧に出され、帰厩してからの早い時計、本数が不足していると競馬中継の中でブックの記者が指摘していたが、この記者は当然、山元トレセンでの調教内容を取材して把握しているのかな?と思った。もし、常識的には「トレセンで3本〜4本が当たり前」と考えての発言だとしたら、それこそ「ゲーム厨」と言われて仕方がないのでは?


 もし、山元トレセンでの調教内容を知っているのなら、それはそれで視聴者や購買者に情報提供すべきだし、それは「乗り込み充分」などという記者の主観的な情報で満たし果たされるべきものではない。


 今年のフェブラリーS。芝スタート不安からカネヒキリを嫌うつもりではあったが、このような視点、競馬界への新たな問題提起のレースとして、◎カネヒキリフェブラリーSを迎えるとしよう。