皐月賞観戦記

 競馬場に着いたのは12時過ぎ。G1の日とは思えないほどスタンドは閑散としていた。小雨が降り続き雨の皐月賞を予感させる。この時点でメイショウサムソンの馬場評価に迷う。内から3mぐらいがボコボコ荒れているような気がしたが、走れないほどではない印象。


スタート前、スタンドの人々が一斉に見上げ歓声をあげる。自分居た場所からは確認出来なかったが、おそらく関口オーナーか浜ちゃんが居たのだろうと推測。皆がフサイチジャンクを買っていたわけではないだろうが、それでも彼らのパフォーマンスに黄色い声援を送る光景が凄いと思った。


返し馬ではどれも良く見える。ステキシンスケクンが引っ掛かりそうな雰囲気を醸し出していたぐらいでアドマイヤムーンフサイチジャンクへの声援は他馬よりも一際大きかった。


ファンファーレ。いつもの事ながら、スタンド前発走なのに、手拍子や大声をあげるファンの心理がわからない。バックスタンド側ならやっても構わないと思うが。


さぁスタート。外からステキシンスケクンが逃げフサイチリシャールが追い掛ける。少し気負っているような気がしたが想定の範囲内


カメラが順に馬群を写し出して行く。まだ…まだ…と思うほどアドマイヤムーンが下げた感。しかも外回し。馬群の雰囲気からして平均的な流れに見えた。


4角手前フサイチリシャールが早いと思われるぐらいスゥ〜っと前に出る。周りからは「早い」と声が上がるが私は「それで良い、行け!」と叫ぶ。その直後、抜群の手応えのメイショウサムソンが大写し。それが場内の誰もが「まさか!」との思いを抱いた瞬間だった。


必死に逃げるリシャール。すぐに並び掛けるメイショウサムソン。馬群を割って外から伸びるフサイチジャンクの脚色が目立ちターフビジョンにその姿が写し出されると場内のボルテージは一気に高まる。その外にいたアドマイヤムーンは伸びきれない。

メイショウサムソンが完全に抜け出したゴール直前、フサイチリシャールがばて、フサイチジャンクの伸びがやや鈍る。その中で最内から矢のような伸びを見せたのがドリームパスポート。鞍上の高田騎手が綺麗とは言えないフォームで懸命に追うが、またもゴール板寸前でその勢いが止まる。


それが、第66回皐月賞の覇者メイショウサムソンの誕生であった。

  • 感想

馬券は外れたが素晴らしいレースを見せたいただいたと思う。鞍上という理由で勝ち馬候補から除外した上位2頭にはお手上げ。特に、石橋さん。ナムラカイソクでもうちょっと頑張ってくれても良かったんじゃないですか。しかし、後ろの座席で30代ぐらいの女性二人組が「石橋さんが勝って良かった」と言いながら写真を撮り涙を浮かべて居た姿に、こちらも心を打たれた。


フサイチリシャールの乗り方に関しては満足。ダート替りとマイルCに期待。フラムドパシオンVSフサイチリシャールクロフネ後継馬対決が待ち遠しい。


ダービーで楽しみなのはフサイチジャンクか。ダービーで勝ち負けするにはやや瞬発力不足の気がしなくもないが、直感的にはこの馬とメイショウサムソン


アドマイヤムーンはやっぱり弥生賞を鮮やかに勝ち過ぎたのかなぁ。弥生賞皐月賞アグネスタキオンディープインパクトのみ。アドマイヤムーンには荷が重かった。この着順ではまたダービーでの評価が悩ましい。


サクラメガワンダーがもう少し前で競馬をし、馬群を割って欲しかったが今回も外を回す。馬体が減ったのもマイナス材料。増やしたい。


ジャリスコライトはここを勝つ気はあまりなかったんだろう。馬の器は悪くないが良い意味で言えば成長を残し、ゆとりがある。馬体のラインに力強さが欲しい。距離的な問題もあるのかもしれないなぁ。藤沢厩舎だから将来的にはマイラー


キャプテンベガは放牧に出してゆっくり鍛えた方が秋、来年以降にいいかも。とにかく背中から後ろのラインが牝馬のように華奢。バネに成長が付いてきてない。


ドリームパスポートは距離延長よりもマイルCで走らせたいなぁ。ダービーではもう一度評価を下げてみる。東京よりも直線の短いコースでというのは周知と同じ意見。

  • 中山9R

パドックでかなりじっくり馬を見て、ファインセラがかなり良い。良血にようやく実が入り本格化。頭でかなり自信があった。


相手には前肢○も後肢が甘かった先生のヤマニンとカリカリしていた藤田さんのサンデー産駒。一応武豊騎乗馬のホシノプレゼント。
岩田神のスプリング〜はパドックで立上がり入れ込み。しかし、2人引きにする落ち着いた。


ファインセラがまともにスタートをした時はもう取った気分。多少は行きたがるも今までよりはマシ。しかし、直線で全く弾けず、馬群に沈んで行く姿を見て、ありえないものを見ているような顔をしていたはず。それぐらい自信があった。敗因は精神面か多少緩い馬場か。わからん。

  • 中山12R

前残りの中山。しかし、ある程度行く馬が揃い、一番人気の昇級馬の鞍上には新人騎手。荒れる要素がふんだんに。


ツタンカーメンが揉まれる可能性の高い7番。それなら斤量減のグローバルボンバーかと思いきや、こちらも馬体減。


新人騎手を信じるぐらいなら武豊と福永だろうと。外枠好走のケイアイハクスイが2番枠から馬群が平気なら抜け出せると踏み、鞍上頼みでフルブラスト、逃げれば強いバーズアイ。来たら嫌なのでタイキコナンをワンコイン。


バーズアイの大逃げで展開が狂う。何も追い掛けない流れ。ツタンカーメンは変に好スタートで自ら馬群へ。

結果的には、ケイアイハクスイにして欲しかった競馬をノーザンキッズ岩田神にやられアウト。挙句の果てには、実力馬とはいえ前走ボロ負けのシャドウハーツまで雪崩れ込みジエンド。

 トーセンシャナオーが若葉Sの着順だけで人気するなら買いだと思ったけど、よく見てなかったので簡単に。
 勝ったビーオブザバンは時計が掛かったのが良くて前々で競馬し切れ味勝負に持ち込まなかった事が勝因。2走前は挟まれる不利で前走は距離が短かった。鞍上の判断も良かった。


 テューダーローズは現時点では500万クラス馬。馬体に実が入ってないし、その分だけ末脚に斬れがない。距離は長い方が良いだろうし。秋か来年以降になって、この血統特有の腰の緩さが抜ければマシになる。

 マジックアワーはアウトオブサイトと似たイメージで如何にも非力。母系がダート鬼血統の割りに、サンデーを付けると線が細くでてしまう点がマイナスで一流サンデーになれない所。古馬になりまでゆっくり成長を待った方が良い。

  • 最後に

中山参戦は悲惨な結果に。まぁけど皐月賞だけは2000円で良い物を見せてもらった。また有馬記念でも観に行きたいなぁ。