POG戦略〜ブライアンズタイム

 例年は馬体を見た印象でリストを作って、その後に血統で絞っていく方針を採っているが、今年に限っては少し違う順番で血統を捉えている。


 サンデーサイレンス産駒がいなくなった事でサンデー系に流れたり、フレンチデピュティ系に流れたり、新種牡馬系に流れているようだが、個人的には、サンデーサイレンスが無くなった直後に次期リーディングサイアーは?と考えて、皆が確実に思ったであろう「ブライアンズタイム」に注目してみようと。


 近年、BT産駒の生命力というか遺伝力が衰えたのではないかという話を聞くけれども、確かにタニノギムレット以降芝の大舞台で走る産駒を見かける機会は減った。私はその要因を「繁殖牝馬の高齢化」の方に求めたわけだ。


 活躍したBT産駒をざっと挙げると、ナリタブライアン(日本で第二仔)、マヤノトップガン(第四仔)、ダンツフレーム(第三仔)、タイムパラドックス(第二仔)、ファレノプシス(第一仔)、シルクジャスティス(第五仔)、タニノギムレット(第三仔)、チョウカイキャロル(第三仔)、ノーリーズン(第三仔)、シルクプリマドンナ(第四仔)などなど。


 最高でも5番目までの子供で、それより後に生まれた子供はいない。これは別にブライアンズタイム産駒に限った事ではなく、母馬が若い方が活躍馬が出るというのは、繁殖牝馬一般に当てはまることだろうと思う(ダンシングキイは神馬。後ウインドインハーヘアも)。


 BTで当たったからSSをつけたり、逆にSSで当たったからBTをつけたりしても、繁殖牝馬の適齢期を逃しているから、どちらも産駒が走る確率が低い。


 BT産駒の生命力が落ちているとすれば、余計に繁殖牝馬に「若さ」を求めるだろうということで、個人的に今年の注目馬は以下の馬。

 母は桜花賞馬で、サンキリコ×ラストタイクーンときてBT締め。BT×サンキリコの配合ではダンツフレーム宝塚記念皐月賞・ダービー2着馬)も出ているので悪くないはず。2歳戦線から活躍しダートもこなせるというか、近親は地方のダート馬ばっかりだけに、芝でこけてもダートで何とかなるか。アロープラネットという名前もなかななイカス。

 どうやら函館でデビューしそうということで既に人気を集めているようだ。母は芝・ダを問わず早い時期から活躍した馬で、その鮮度がこの仔にも伝われば面白い。

  • 牡 母フラッシュストーム

 半兄に「あの」ネゴシエーター。兄はSS産駒で3年前に超大物宣言をして恥をかいたあの馬だ。あれは、SS産駒にしては走らないような体型をしていたし、喉にも病気を抱えていたようだから仕方ないか。今度はBT×ストームキャットになって、SSよりかは配合的にマシになったんじゃないかと。資料が少なくて馬体を見られないだけに、上記2頭とどれを採るか悩む所だが、ネゴシエーターの体型でBT産駒なら面白いとは思う。腹袋もあればなおさら。母はネゴ様以来産駒が走っておらず第二仔でもありフレッシュ感ある。

  • 以下

 採りたいのはここらで。以下、簡単にそれ以外の注目馬を。
 母リキセレナード…母は小倉3歳S勝ち馬。BT×ジェイドロバリーの配合はヤマカツと同じで、早い時期から活躍できそうなのは同じく。ダートでも走れるだろう。


 母グロリアスバラッド…昨年はエアドミンゴで話題になったのに、それがコケたせいか、今年は話題にもならず。ノーザンダンサー×キングマンボ×BTとこの繁殖にかける期待の大きさはそのあたりから読み取れる。大物と評判の産駒が毎年出る割にデビュー前に死んだり、故障したりと順調さを欠く血統だけに悩ましい。


 母ケイウーマン…半兄マチカネキララ。毎年良いバランスの産駒を送り出す母は名牝の部類。ただ、そのバランスの良さがイマイチ産駒の競走成績に繋がってこないのが残念。今年の産駒も立ち姿は綺麗なだけに、一発があっても驚けないがBT産駒に藤沢厩舎は良い印象がない。


 母シーズグレイス…第五仔。BT×SSはトレンドになりそうでならなかった配合の一つ。半兄のシャドウスケイプ以来、産駒の成績は下降する一方で、生命力という観点から見ると、この馬を押せない。


 母レッドレス…マコトテンカイチで話題になったのが懐かしい。あれも評判だけでさっぱり走らなかった。これも今年は話題にもならず。BT×ダンジグは悪くないと思うが、この母系はイマイチかも。第三仔でも割引。

  • 結論

 採るなら、母ケイウーマンか、最初の3頭のいずれか。二つ採りに行ってもいいが、これで走らないと厳しくなるな。ただ、シンメイレグルス(第二仔)やナイキアースワーク(第二仔)も出ているように、小粒になったとはいえ活躍馬は出てる。それらも繁殖が若いしね。


 本当に若い繁殖が走るのか?って思う人は、今年の3歳クラシックの繁殖牝馬をネット競馬ででも調べておくんなまし。ダービーも
 1着メイショウサムソン(初仔)
 2着アドマイヤメイン(第三仔)
 3着ドリームパスポート(初仔)
 決着でし。