世界一の座は遠かった

 賞賛、批判、色々あろうが、何よりもまず「お疲れ様でした。ありがとう」という感謝の意を述べておかねばなるまい。三冠を達成して、4歳になったここまでのキャリアで、ずっと夢を見せてくれた。レース前のあの興奮と、負けた後の空虚感。この両方は、挑戦なくしては得られないものだったから。


 正直言って、満足は出来ないレースだった。直線に向いて、伸びてはいるのだろうけれど、有馬記念同様「飛ばなかった」と表現するのが適当であろうと思われる、ピリッとしない末脚。前に行ったから、芝が合わなかったから。諸説あろうが、結果として負けたという事実は受け止めなくてはならない。


 ただ、これで競馬が終わったわけではなく、ディープインパクトにとっての第二章が終わっただけ。まだまだ競馬は続くし、日本競馬の「挑戦」も続いていく。離れて行くヤツは離れて行けばいい。だが、俺はこれからも日本競馬を応援していこうと決めた。


 ふー、空虚であるはずの心の中が何とも言えない気持ちで満たされている。関係者各位、お疲れ様でした。気をつけて帰ってきて、そしてまた強いディープインパクトの競馬を見せていただきたいと思います。


 あ、あとパドックで大声出して騒いだと思われる観客(どうせ日本人だろうけど)は、何しに行ってんだ? ドバイWCの時も武豊に向かって何か叫んで「こっち向いた」とか言ってた芸能人いたけど、それに匹敵するぐらい酷い。これからレースを迎える騎手に「しぃー」ってポーズされてちゃ駄目だろ。レープロをただ取りするのに殺到したり、正装しなきゃいけない所で、変な格好してたりと、いつものメンバーだけでなく、にわかが集まるとこういう事になるんだろうな。JRAは馬券どうこうの前に、行った客に粗相がないように伝えるべきかと。いや、それは行くやつの人間性の問題か。そこまでJRAに指導しろっていうのも馬鹿な提案だな。


 ルールとかマナーとか、郷に入れば郷に従えじゃないけど、ああいう開催の場所ではそれなりの振る舞いがあるよな、やっぱり。いくらお祭り騒ぎだとしても。フランスの方々には、そーいうやつらを見て、日本人帰れとか思われるだろうなぁ。うん、残念。