夏過ぎて勢力変わらず

 秋華賞は春の実績馬がそのままスライドし上位を独占。今年の秋華賞は、桜花賞の上位5頭、オークスの上位10頭の内8着のマイネジャーダを除く9頭が出走した。春の勢力のレベルが高かったことと夏の上がり馬が少なかったこともあるが、それよりもこれだけ無事にきたというのが凄い。
 牡馬路線もダービー以降1度も出走していないのが、ジャリスコライトスーパーホーネットヴィクトリーランの3頭のみ。スーパーホーネット富士Sに出走予定であるから、実質2頭のみ。牡馬、牝馬路線共に、春の勢力が順調に夏を過ごして来たことがわかる。


 一時期、スペシャルウィーク春の天皇賞を勝つまで、「ダービーを制した馬は古馬になると駄目になる」と言われたもので、スペシャルウィーク以前にダービーを優勝し、その後もGIを勝ったのは、近い年から見ていくとナリタブライアン菊花賞トウカイテイオー有馬記念。'86年ダービー馬のダイナガリバーなど3頭。スペシャルウィーク以後だとジャングルポケットディープインパクトの2頭のみ。だから、過去20年間のダービーの歴史で、ダービー以後もGIを制したのは6頭しかいない。


 ダービー馬が順調に使えないのを尻目に、ダービー2着馬が出世する立場にあり、ずらっと並べると(サンスポより引用)、

90 メジロライアン 91宝塚記念
91 レオダーバン 91菊花賞
92 ライスシャワー 92菊花賞、93・95天皇賞・春
93 ビワハヤヒデ 93菊花賞、94天皇賞・春宝塚記念
95 ジェニュイン 96マイルチャンピオンシップ
96 ダンスインザダーク 96菊花賞
97 シルクジャスティス 97有馬記念
99 ナリタトップロード 99菊花賞
00 エアシャカール 00菊花賞
01 ダンツフレーム 02宝塚記念
02 シンボリクリスエス 02・03天皇賞・秋、02・03有馬記念
03 ゼンノロブロイ 04天皇賞・秋ジャパンC有馬記念
04 ハーツクライ 05有馬記念、06ドバイシーマクラシック


 となっており、ダービー2着馬の方がその後の競馬を盛り上げていると言えるかもしれない。


 ダービーが高速馬場で故障が…なんて話を聞くが、高速競馬になったのが2000年代に入ってから、特にここ数年のことだとしても、それ以前からダービー馬の秋競馬不振は慣例となっている。ダービーを勝つことの疲労であるのか断定的な原因はわからないが、高速馬場だけが原因とはいいがたい。


 過去20年でダービーを制した同一年度にGIを制したのは、ディープインパクトナリタブライアン三冠馬2頭とジャングルポケット(JC)とダイナガリバー有馬記念)のみ。その五頭目になれるかどうか、メイショウサムソンに掛かる期待は大きい。


 ちなみに、ダービーの1〜3着馬が菊花賞にそのまま出走するというのは、5年に1度の割合ぐらいであり、ネオユニヴァースの年、アドマイヤベガの年、スペシャルウィークの年、フサイチコンコルドの年、ナリタブライアンの年、ウイニングチケットの年。この1-3着が揃って出走した時のダービー馬が菊花賞を制すのはナリタブライアンの1-3着のそのままスライドだけ。他の年は全てダービー馬が敗北しているというデータもあり。


 菊花賞といえば夏の上がり馬が代名詞だけど、意外と春の勢力も残ってるんだなぁと。近年は、天皇賞志向とかキンカメの故障とか目立つけど、無事な馬はその後勝てなくてもそれなりにターフを賑わしてくれている。高速馬場だけが故障が多いとの原因とは言えないんじゃないかって話を書こうと思って話が脱線。面倒臭いからこれで締めます。


 こんなデータを持ち出してくる僕はメイショウサムソンが切りたくてしょうがないんだけど。