新種牡馬展望(1)

 毎年1頭か2頭しか展望が出来ない「りある」による新種牡馬展望。もっとも一度は必ず考察をしているので、携帯電話の未送信メールにはたくさん保存してあるんだけど、それがオンラインに乗ることはない。今年は何頭出来るか。
 第一回目は、新種牡馬の展望…の前に、2003年あたりの新種牡馬の回顧あたりから。データはネット競馬参照で。

 エルコンドルパサースペシャルウィーク・エンドスイープの3頭が看板となり、それ以外の活躍馬はミラクルアドマイヤ
 エルコンドルパサーは芝・ダート問わずに平均的な勝ち鞍。中距離もこなせる万能型であったが、あと一押し足りない産駒が多く、それがG1で苦戦する原因か。ダービー向きではなかった。
 同父のキングカメハメハがポストSSの代表として期待を集めている。エルコンドルパサーが母父サドラーズウェルズで、キングカメハメハが母父ラストタイクーン。母父を比較するとサドラーズウェルズよりかは軽さがあると思うので、エルコンドルパサー以上の成績は期待出来る。


 スペシャルウィークオークスシーザリオ、ダービー2着のインティライミも輩出。春先で活躍出来るフジキセキが距離の壁に苦労し、春のクラシックシーズンでは成長が間に合わないダンスインザダークと異なり、距離もこなせて成長も間に合うという結果を出したことは大きい。初年度こそダート種牡馬というイメージを植え付けたが、今では芝での勝ち鞍がダートの倍となっている。それでも金満でいうBの季節に勝ち星ラッシュが巡ってくるように、斬れは一流馬のみが持つモノ。大半はちょっと甘い。ただ、ミスプロ系なんかよりは確実に上。SS×ニジンスキーの系統だけに、母父ミスプロが多い事がクラシック制覇の足かせになりそうだが、欧州系や長距離向きの配合で斬れのある馬が出た時には充分狙える。好みもあるが頑張って欲しい一頭。

 フレンチデピュティアドマイヤベガグラスワンダーキングヘイローマイネルラヴフレンチデピュティは輸入だから置いておくとして。


 アドマイヤベガの急逝は痛かった。自身の武器でもあった斬れを多くの産駒が受け継いでいただけに、近年の競馬で必要とされる条件を満たしていた。ベガも自身も活躍したように日本競馬にマッチした配合でもあったし。圧倒的に芝向き種牡馬で距離もこなせる。
 今年も産駒がいるが、母父はノーザンダンサー系が良いだろうとは、産駒を見ていて思う。


 グラスワンダーは、父譲りの雄大な馬体の馬が多く、それが活躍馬の指標でもあるようだ。個人的に一押ししているオースミグラスワンもそうだし、サクラメガワンダーもグラスに似ていると言われる。そのせいか、大型馬が多いイメージがあり、大型馬が多いということは、デビューに時間が掛かったり故障の危険も高まる。
 今後、長距離もこなせる馬がたくさん出てくるだろうし、関西にもっと良い馬が出てくるようならリーディング上位に入ってこれるだろう。馬券的課題は、中山・阪神で買えるが、東京・京都で買えないということか。


 キングヘイローは、ニシノドコマデモや今年のカワカミプリンセスなどを輩出するもクラシック路線で大崩れなく走れるだけのスケールかというと…な部分はあるが、社台系でない繁殖の中でよく頑張っているといえる。
 マイネルラヴはクラシック向きではなく、短距離路線で注目の種牡馬

 アグネスタキオンクロフネが初年度からG1馬を輩出したように、この2頭が抜けた実績を誇った。


 アグネスタキオンは以前に書いたと思うがロイヤルスキーの影響が強く、他のSS系種牡馬ノーザンダンサー系やトニービン配合であることと比較すると、斬れよりもパワー型にシフトしているように思う。初年度のみになるが傾向を見ると、ダートの短距離や新馬戦で強く、長い距離になるとあまり出走馬がいない。陣営が意図的に長い距離を使っていないということもあるのだろうが、体型的にも短い方が良いと思っているんだろう。
 馬体は前駆が非常に発達していて、さらに骨格も立派だから見栄えがする。だから、売れ行きも良いだろうし、早い段階での完成度も高い。ただ、その分、ダンスインザダーク産駒やスペシャルウィーク産駒と違うのは「伸びしろ」がない。ダンス産駒で芝を走る馬は全体的に背中が緩い。それは早い時期にはマイナス面でもあるが古馬になって成長すれば楽しみな部分でもある。
 タキオン産駒の今年は、母系のレベルが飛躍的に上がっているので、距離適正やダート適正も変化があるだろうが、基本的には勝ち上がり率が高いことに変わりはないだろう。ただ、距離の部分が変わってこないと、クラシックディスタンスすなわちダービーは苦しいといわざるをえない。
 今年で言えば、アドマイヤオーラ(母ビワハイジ)には産駒独特であり、半兄アドマイヤジャパンもそうであった硬さが少ないように思われるので注目している。


 クロフネフサイチリシャールが良いパフォーマンスを残してくれたおかげで芝のスピード勝負に対応できることも証明。基本的には、フラムドパシオンの方が代表産駒イメージになると思う。芝では4着前後でダートで圧勝みたいな。
 ただ、フサイチリシャールがそうであるように、母父サンデーサイレンスと配合出来る利点から、2歳戦や3歳春の段階で高いスピード能力を引き継ぐ可能性も高く、ダービー向きとはいえないが、皐月賞やNHKマイルCを目指す馬は今年に限らず今後も引き続き出てくるだろう。
 牝馬ではあるがレースドール(母ビスクドールでアイスドールの半妹)はクロフネにしては薄いぐらい軽く映るので、しっかり調教を積めるタフさがあれば楽しみ。

 やっと今年のラインナップ。注目は内国産ジャングルポケット(70頭)・マンハッタンカフェ(145頭)・タニボギムレット(97頭)・ナリタトップロード(102頭)。括弧内は大体の登録数。


 ジャングルポケット産駒を見ると、これで2歳戦から動けるのかなぁというぐらい背中にゆとりがある馬が多い。ゆとりがあるという言い方は良い表現で悪く言えばダンス産駒以上に甘い。パッと見て長距離に対応してきそうな感じ。芝向きでもありそうだし、トニービン系はもはやこの馬の活躍に全て委ねられているから頑張って欲しい。
 トニービン×ヌレイエフということでサンデー牝馬に付けられる利点。背中の感じから平坦の中距離向きだろうから、父同様北海道の芝、札幌2歳Sなんか今から楽しみ。
 この馬の産駒の特徴を出している馬としてマンファス産駒を見てもらえれば。この馬はキングカメハメハも2歳時はそうだったし、レースパイロットもそうだけど、母系も緩い部分があるから、その辺りが何かの間違いで早めに仕上がれば姉同様オークスで楽しみな馬になる。


 マンハッタンカフェは見栄えする馬体でSSに最も似てる馬ということでスタッドの評価を集めたようだが、個人的には背中の緩い馬だなあと。自身の成績も示すように早い時期の短距離ではついていけないような気が今からしている。産駒の配合傾向をみるとそれを意図してか、ミスプロ系やアメリカ血統が多いような気がする。その点が上手くはまれば短距離でも。基本的には長距離か。


 ナリタトップロードは自身は芝で走ったが、ダートでも走れる血統背景だろう。亡くなってしまったために世代数は多くないが、ダートの中長距離で地方交流競走を走る馬が出てきそう。斬れる軽さはないが、父同様長く脚を使うイメージ。


 タニノギムレットブライアンズタイム産駒の後継を狙う。父のパワフルなイメージが産駒にそのまま受け継がれ、全体的にがっしりした産駒が多い。タキオン産駒のがっしりとは違い、BT特有の腹袋の方のがっしり。重いような馬が斬れを持ち合わせるかどうかが鍵になる。
 配合としては、同系にはなってもSS系牝馬の軽さがクラシック前路線では重要になるから、その配合が一番走る可能性は高いか。ミスプロ系になると重くてダート向きになりそうだし。
 母父リファールだけどビーモル産駒が今の所候補に入っている。


 この世代にも主役にはなれなかった馬達が種牡馬としているので、当時ファンだった人には楽しめそう。アドマイヤコジーンとかダイタクリーヴァとかゼンノエルシドとか。
 ダイタクリーヴァは軽さがあるだろうから超大物は出なくとも勝ち上がり率は悪くないはず。ベストは1400mだな(笑)


 外国からの輸入種牡馬は、マリエンバード・ウォーオンブレムの2頭が大目玉か。ただ後者は種付け嫌いだし、前者は重い感じが否めない。
 スウェプトオーヴァーボードスクワートルスクワートミスプロ系2頭はエンドスイープの後継として持ってこられたから、早い時期でそれなりの活躍はしそうだが、クラシック向きではなさそう。
 サザンヘイローは2歳戦やデビューから数戦で終了の種牡馬ではあるが、初戦には抜群に強いので注目。まぁ調教で抜群に動くから人気はするだろうけれど。外国で超早熟だった面が出なければ、適正は日本にも合うので楽しめる。


 あとは、個人的にエアシャカール産駒に思い入れがあるので残された4頭の遺児は追いかけようと思っている。

 最後にクリックしていだだければ幸いです。→人気ブログランキング