そこまで読むのは当たり前?

 昨日の時点で書こうと思ってたのとは少し異なるものにはなりつつあるも、札幌1500mがきっかけであったのは間違いないので、その話から。

  • 06 8/12 札幌11R 札幌日刊スポーツ杯 芝1500m

 ロードアルティマが先手を奪う。人気のスズカフェニックスは行き脚がつかなかったか、わざと下げたのか後方3番手へ。二番手にダイタクソニック、プリモスターと続く流れ。人気の一角メイショウオウテは後方4番手、その前に外枠のコンドルクエスト


 レースは逃げたロードマルティマが難なく押し切り優勝。2着に3番手から粘り込んだプリモスター。直線懸命に差を詰めたスズカフェニックスが3着、メイショウオウテが4着、コンドルクエストが5着。


 そのレース後のコメントで、安藤勝、四位騎手の両方共が「この距離で急かせるような競馬をすると今後に(悪)影響を及ぼすだろうから、ゆっくりと行った」というニュアンスで語っていた。正確には「今後2000mで戦う馬だから変に行かせたくなかった」だけど。


 こうしたレース運びは昨日今日に始まったことではなく、例えば武豊騎手がNHKマイルCでクロフネに騎乗した時も、安藤勝騎手がキングカメハメハで同じくNHKマイルCに騎乗した時も、前半は完全に馬任というか、マイルの流れに急がせない乗り方をしつつも、勝ちに行く姿勢というのを見せてくれたことからもわかる。


 例えで摩周湖特別(札幌芝1500mの伝統的なレース)が特殊距離な割に、ウインラディウスボールドブライアンゼンノエルシド・シンボリウエストと勝ち馬が出て藤沢厩舎が10年で5勝。


 1500mという距離は1800m以上を使っていく馬にとっては、勝ちたいけれども、無理に勝ちに行く距離ではないよう。だがしかし、1800mからの短縮組が非常に強いことも特徴の一つであるよう。ただ、このレースの勝ち馬のその後に1800m以上で勝ち鞍を挙げた馬が過去10年でヴィエントシチーのサマーS1勝というのが、このレースの特殊性を物語一つのキーワードかもしれない。


 今後、1800m以上を中心に使って行きたいと思ってるスズカフェニックスやメイショウオウテは勝つのが難しい条件であり、なおかつ勝っては先々に良い影響を与えないレースであったというのは、何ともまぁ奇妙なレースである。また、札幌日刊スポーツ杯(今年から芝1200mから芝1500m延長)と摩周湖特別を勝ったのが、どう見積もっても1800m以上で勝ち鞍を挙げそうにないロードアルティマとシンボリウエストというのも何だかなぁ。


 序盤の話はどこ吹く風になってるので、一気に戻してくると、1800m前後で好走してた馬が条件を変えて、1400mや1600mに使ってきた時に、「Hペースで短縮だから合うよなぁ」とか思って甘い予想をしてると、案外ペースが落ち着いた時に、鞍上は「この距離で急かしたくない」と思ってるから動かなくて、「この糞ヤロー、何で何もしねえんだよ!!」と野次を飛ばしたり、怒りを抱くのは間違ってて、そこまで馬券を買う際には読みきることを自己責任で求めているというハイレベルなのが競馬というものか。


 ペースが緩くなった時には直線で神懸り的な末脚を繰り出してくれることや、何かの間違いで自分の予想が当たってくれることを切に願うしかない。それが得意距離からの短縮馬を狙う時の心構え。


 まぁ、四位さんはそんな時に無理はしない人なので、確実に圏外に放り込んでくる騎手の一人であろうから、消しで組み立てるという、逆利用の予想法もある。


 競馬とは何とも奥深いものだと思いつつも、正直言って、札幌芝1500mなんて馬券を買うことは何年かに一度あるかないかで、こんなに考えたのは無駄だったかと思いつつ、いや、この短縮の心構えはダート短距離でも生かそうと思う。