ダート路線の注目馬2

 一昔前なら、3歳馬でダービー以後のレースにマイナス体重で出てきたら成長が乏しいと思われて、即消し的な評価を与えられたモンだが、アドマイヤムーンあたりにあっさりと抜け出されると、むしろ何だったのかと思ってしまう。格言も時代によって変わるってことでしょうか。


 そんな中で、ハギノプリンセスとか、折角プクプクでフレッシュしてきたのに、2戦目でまた激痩せしてくる馬もいて。そりゃ成長じゃなくて、食わせてきただけで、まともな調教やってないってことなんでしょうか。


 馬体重なんて気にしなくて良いという人もいるけれど、基準の見えにくい予想の段階では、数字という確実そうなモノに頼って、真実を見失うことも多々ある。馬券を買わないで競馬を冷静に観ていると、様々な発見があって面白い。新たな発見というよりも、初心に帰ってという再発見がほとんどだけど。これも「放牧効果」だろうか。

 ダート路線注目馬まとめ続きのスタート。

  • サクラビジェイ

 これも休養中か。未熟な鞍上のせいで出世が遅れたが、馬群を抜けてこられる石橋守に代わって成績が上昇。ハンデに恵まれた部分はあったとしても、それは確かな力の裏付けがあるから。短い距離ならまだまだやれる。

  • ナリタプレリュード

 14戦して3着以内を外したのがたったの1回(芝2000mで4着)という超がつくほど堅実駆けする馬。相手なりに走ってしまう馬の性格とブレーキをかけたり、アクセルをふかしたりというチグハグな騎乗のせいで、ここまで出世が遅れていたが、ようやくOPに出てくるまでになった。ゲートに不安は残っているが、スピードに乗れば前に取り付く脚もあるから、よほどの遅れでない限り大丈夫。当然1600万下でも能力上位だが、OPのしらかばSでどこまでやれるか。
 (しらかばS3着。乗り方としては満点をあげられる。最後にやや脚があがりかけたが、何とか凌ぎきった。相手なりを証明する結果となったが、それだけに自己条件での取りこぼしも怖い。)

 新潟出走は取り消し。まだ体質的に弱い部分が残ってるのか。460kg前後で走れるようになったように、馬体細化の心配はなくなってきた。1000万下では力が違い、1600万下でどうかというところだが、中山は好走歴があるだけに買っても良いと思うが、次は取り消し明けになるだけに、やはり見送りか。

  • ケイアイメルヘン

 柳都Sに登録があるが、多少ズブくなったとはいえ1800mは無理だろう。今年に入って上のクラスにぶつけた結果、馬が自信をなくしてるっぽいので、超Hペースを差しに回って漁夫の利を生かす競馬を今後は目指していくしかなさそう。しばらくは適当な番組がなさそうで1700mあたりで惨敗を繰り返すしかないか。

 3歳馬ではトップクラス。JDDでは内枠+出遅れ、後方で流れ乗れずのコンボで結果が出なかった。ここまでの一連の競馬内容を見ると、キャリアが浅いせいもあるのかもしれないが、外枠での結果がよく、内に入り込むとイマイチなよう。器用さで勝負するのではなく一気に脚を使うタイプの馬だろうからその結果も納得出来るんだが。古馬相手だとまだまだ力不足だろうが今後どれだけ成長するか。外枠なら3歳馬同士では上。早い流れになって欲しい。

  • セフティステージ

 しらかばSに格上挑戦。おそらく返り討ちにあうだろう。1000万下までは鮮やかな脚で好走できるのに1600万下に入るとクラスの壁にぶちあたった前回の昇級戦。今回も1000万下でギリギリの内容なので秋の昇級戦は苦労しそう。早い流れで後方からどれだけ差を詰められるか。

 この馬に関しては出てくる度に触れているが、グランプリスターと走った京都の競馬がターニングポイントであったろう。それまでのなまくらな競馬から4角でスムーズに動けたあたりに馬の成長を感じる。それ以後、回りや距離に関係なく安定した走り。このクラスでは上位の力を示している。展開にも左右されなくなってきたし、そろそろ勝ち上がりも近い。ただ、やはり勝ちまでには早い流れが良いのはいうまでもなく。

 降級した1000万下では圧勝。力の違いを見せ付けた。気性的にアテにならない部分があり、1600万下では行けない分、精神面の弱さを露呈し惨敗に繋がる。かといって延長が良い馬ではないので、このクラスでいかにキャリアを積んでいくかが問題だろう。これまでにも出てきたヘネシー産駒だけに、惨敗を繰り返すと巻き返すのが大変なだけに1600万下では苦しい戦いが続くことは必至。

  • オフィサー

 クラスターCに格上挑戦するも3番人気6着の敗戦。現状では過剰人気ではあるが、末脚に魅力のある馬だから仕方がないか。血統背景的にも。ただ、冷静に実績を眺めてみると、決して安定感のあるタイプではなく、特にクラスが上がってからは流れに左右されるケースが目立つ。が、短い距離だと追走に苦労する。よほど速い流れが見え見えの時以外は、来たらしょうがないというスタンスで切った方が生涯回収率はよくなりそう。

 500万下でも1000万下でも成績に違いのでない馬主孝行な馬。一言で言って「あま〜い」。強引に行くと直線で垂れ、溜めて乗ると斬れない。かといって、絶対安定軸かというと、そこまで信頼しきってよいものかと個人的に思わせるあやうさを持っている。まぁ500万下では能力上位なのは明らかで、買うならマルチで。3着落ちで高配当なんてパターンに期待しないと、1着固定には危うい馬。そろそろ500万下も馬が抜けてきたから順番は回ってきそうだが。

 長期の休み明けを3度叩いてようやくまともな状態になってきて成績が出てきた。休み前は3歳で1600万下を勝った様にそれなりの力はある馬。勝っていた時は早い上がりを計時しているので前走でもそれなりの上がり時計。これが上昇の基準になるか。今回負けても上がり時計さえ早ければ次あたりで見直す手もある。
 (柳都S後追記:おそらく最速上がりで楽勝。順調に良化していたんだろう。ここはいかにも相手に恵まれた感があったので、次走以降が本当の勝負。まだOPでは足りないと思うが勢いは戻った。)

  • イブロン

 マーチS以来休養中。Machiavellian産駒だけに平坦の方が良いと思われるが、中山でもそれなりに結果が出ているあたり、能力は高い。来年以降はダートを背負っていく馬になってもらいたいだけに、秋競馬は頭で狙っていこうと思っている馬。距離に関しては1400〜1800mまでなら対応可能だろう。注目。

 アフリート産駒らしくスムーズな競馬が出来れば強い馬。思ったよりも精神面がしっかりしているので、ここまでそれなりの成績を挙げている。スピード能力だけなら3歳ダートでは上位なので、短い距離でこそと思っているが、陣営は延長にも自信を覗かせているだけに、1200mを使ってくるのはいつになることやら。希望としてはやはり外枠でスムーズに流れに乗れた方がよいだろう。

 春から休養中。2走前に惨敗したことで1200m限定ホースのレッテルを貼られてしまった感がある。1700mで悪くないレースが出来ただけにもう少し我慢出来るとは思うが、やはりベストは1200mということだろう。1200mの1000万下なら上位だが、1400mで1600万下に入ると足りない。

 まだ老け込むような年齢とキャリアでもないと思うんだが、ストームキャットの血の宿命なのか、1000万下でマチカネウソブキと接戦していたころの力を感じない。現状だと500万下で勝ち負けするのがやっとというところで、1000万下では引き続き厳しい戦いを強いられそう。

  • ウルフボーイ

 1000万下から降級後、やっとの事で500万下を卒業。夏の北海道で大幅に馬体を減らしたが、モニターからみた感じではそれほど悪い影響があったとも思えず。相手なりに走る馬なので、1000万下に入ってもそれなりの競馬は出来るだろう。主場開催の成績がイマイチ良くないのは気掛かりだが。

 昨夏の北海道で注目馬にリストインさせた。今年も夏前に1600万下に昇級しても悪くないレースが続いてたから今年の夏は楽しめるかと思ったけど、放牧に出たまま。能力はある馬なのである程度仕上がっていれば休み明け初戦から。

  • リーピンスイーパー

 真っ直ぐ走らない癖のある馬だが、能力があることはここ数戦で示している。パドックではあまり良く見せない馬で、いつもカリカリしていたり、汗びっしょりだったり。歩様も硬いし。と良い所が見つけにくいし、ゲートも悪い。とにかく嵌れば強いということは覚えておきたい。

  • マイティスプリング

 これも冬から休養。ギャラクシーSで鮮やかな勝利を飾った後、根岸Sでもそこそこの競馬。OP特別でならと思ったすばるSでまさかの大惨敗。その敗因がよくわからないまま放牧に出されている。とりあえずデカイ馬なので、気配等を見るのは難しいが休み明けを気にするタイプでもないので、大幅な馬体増でなければ初戦から。

 休み明け初戦の内容は悪くなかった。展開に左右される部分があるので、前がやりあって、速めに流れてくれるのがベスト。そういう意味では、中京コースは合うだろうし、メンバーの手薄な今はチャンス。中京では軸として狙っていきたい。

 典型的な穴馬タイプで、人気がなかったら突っ込んでくるタイプ。ダート替わりの短縮ではそれなりに着順を挙げているので、狙うとしたらその時ぐらいだろうが、正直、追い続けて捕らえられるタイプではない。

 これも内に刺さったりして出世が遅れているが、まともに走れば1000万下は即勝ちあがれるだけの力は持っている。ベストは1400mだろうが、成長してきた今なら1700、1800mもこなせるだろう。

  • キープザフェイス

 速い上がりのレースが得意で、しまいが掛かる展開は不向き。状態が良くなった時期と強い相手の時期にそういう競馬を使ったこともあるが、合わないことも一つだろう。昇級すると流石に厳しいだろうが、血統的に芝でもやれないことはないだろうだけに、1600万下の牝馬限定戦で注意したい。

 これも牝馬限定戦で注意したい。牡馬相手だとちょっと苦しい現状。

  • シルクヒーロー

 武士沢騎手と好相性。武豊騎乗時に完璧な競馬で鮮やかに勝利したが、差せないダートで差しきってきたように、能力は高い。昇級すると厳しい戦いが続き、クラス慣れが必要だろうが、穴を開けそうな雰囲気はある。

 芝で好走しているが、ダートでも走れなくはない。というか、最近の芝での真面目な走りを見ているとダートならあっさりの気もする。とりあえずダート替わりは悪くないので出てくれば買い。


 ここまでが先週の段階で101位〜200位の中にいた馬。週が変わって賞金ランキングが変動したので、次からは補完しながら。はぁ、去年〜春先の活躍馬がほとんど休養中だから面白くないのね。