凱旋門賞にもう一言

 世間様では冷めてきたけど、競馬ファン界隈ではまだほとぼり冷めぬよう。W杯の予選敗退後同じ匂いがしてきたなぁ。出会う人に「なんで負けたの?」と聞かれるけれど、敗因は一つではないと思われるので「それが凱旋門賞を勝つ難しさと勝負のあや」と答えるようにしている。


 二晩経って見えてきたものは、凱旋門賞は関係者にとって他の世界のGIとは格の違うレースなんだと改めて思わされた。今さらと思われるかもしれないけれど、近年の海外遠征(エルコンドルパサーの長期遠征を除く)は、ポンと行って競馬に使ってポンと帰ってくるようなイメージが定着した。例えは悪いかもしれないが、まるで出兵するようなお見送り状態ではないように思う。それは、アメリカのレースに出走したダンスインザムードシンガポールに遠征したコスモバルク。はたまたドバイに遠征した多くの馬達や香港遠征の時も。


 そうした中で、ここまで入念に準備をして行ったというのは、極めて異例というのか、あまりにも身構え過ぎたというのか。凱旋門賞というスタイルに合わせすぎたことによって、ディープインパクトが日本の競馬で積み上げてきた日本(ディープインパクト)らしさが失われてしまったのかもしれないと、素人ながらに考えてはみたものの、それが違ったとして結果はわからない。直前に(順調に)輸送してた方が結果が出たかもしれないというのは、かもしれない話で。誰にもわからない。


 でも、凱旋門賞キングジョージは、ポンと行って勝てるものではないと今夏にハーツクライで遠征した橋口先生も帯同馬の件などでおっしゃっていたし、過去の先人達の遠征から学んできたモノだと思うので、中期滞在が正しいのかもしれない。滞在日程とか調教場の選択とか遠征に対する見解なんて素人レベルでどうこう言えないわ、これは。


 凱旋門賞アメリカ調教馬は勝っていないけれど、アメリカ生産馬の勝ち馬は数多く出ている。ゴールデンフェザントなんてニエル賞勝って凱旋門賞14着、アメリカ行ってアーリントンミリオンジャパンカップと勝つんだから、正直適正なんて言葉もどうなんだろうと思いつつ、20年前の事を持ち出しても比較にはならないか。