競馬はまだまだこんなイメージ

 [http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007030700142&genre=A2&area=S00:title=「賛成議員は間違っている」
場外馬券売り場設置で彦根市長]

 獅山市長は「ギャンブル施設には反対」との持論を述べ、「『彦根の議員はどうしてこんなにギャンブル好きなのか』と不愉快に思っている市民もいる。
 他の自治体関係者からも『いったい彦根は何やってるのか』とからかい半分の言葉を受けている」と答えた。
 そのうえで「請願に賛成した14人の方々には間違ってますよ、と言いたい。


 今回の彦根市議会でどのようなやりとりが行われたのかは議事録が見つからないので、詳細を伺い知ることはできないのだが、昨年12月に市長は次のように議会で語っている。(彦根市議会議事録より引用)


 別に読まなくても、ウインズができたら治安が悪くなったり、色々良くないことが起こるかもしれないってことを言ってるだけ。

市長(獅山向洋君) この問題(注:場外馬券売り場設置計画)は私が以前市長をしていたころから始まった問題でございまして、その当時から私自身は場外馬券売場については反対の立場を堅持してまいりました。その後、車券・舟券売場というような計画も出てきたわけでございますけれども、これと馬券売場とのどういう関係になるか私はわかりませんけれども、全体的な趣旨としては、私は彦根市にはギャンブル施設は要らないという考えから反対の立場をとっているものでございます。もちろん、大学が3つもあって、若い方々がこういうところへいらっしゃるのはどうかという考え方もありますし、また市民がギャンブル場が近くにできたためにそういうものに熱中してしまって、破産や夜逃げとか、そういうものが生ずるのも市長としては歓迎しないという意味もございます。また、周辺の住民の方々もかなり反対しておられる方が多いと私は思っておりますので、その辺についてのことも考えますときに、私は今回の選挙では車券・舟券を反対の公約に掲げておりましたけれども、同じ趣旨で場外馬券売場についても反対するということでございます。


 それに対する設置賛成派市議会議員の発言。

◯20番(田島茂洋君) 先ほど冒頭に申し上げました、私ども公政会で視察に行きまして、そのときの内容につきましても申し上げましたんですけれども、市長は感覚的といいますか、いろんな抽象的なそういうようなことで反対をされているようにはちょっと見受けられるんですけれども、実際に現地へ行きましたら、そのような懸念はひとつもなかったということを申し上げましたのはこれは事実でございます。


 全国各所で起こるウインズ設置反対運動に対して、賛成派も反対派も明確な論拠を示せていないのが、今回のケースでも起こっていたようだ。後者の市議が指摘しているように、反対する市長は、ギャンブル=社会悪のイメージをしっかり信じてしまっている。また、それを説得しようとする市議は、「実際に視察に行ってきました。でも、イメージされているようなモノはありませんでした」と説明するに留まる。要するに、どちらも、例えば犯罪に関する、あるいは、破産や夜逃げに対するデータなり、根拠が示せていない。


 もちろん、それを証明することは難しい。ウインズがあるから破産する人が多いことを全国の売り場から調べることや、その周辺地域の犯罪率を調べたり。ウインズがあるから犯罪が多いのか、元から犯罪の多い地域にウインズを設置したのか等、簡単には説明できないだろう。


 この議会での議事録を見ていると、どうやら、犯罪等のデータが続々と示されたケースはなく、コンサルタントを招き場外馬券売り場を設置した時の経営方針に重きを置いたようだ。


 場外馬券売り場の設置には毎度毎度反対するのに、パチンコ屋はどうなんだという矛盾も、この市長に質問して欲しいところだ。いくら民間企業とはいえ、彦根にギャンブルはいらないというなら、パチンコも追い出せばいいのに。


 結局、今回のケースでもギャンブルに関係する施設が社会に対して、いかに悪であるかを証明することも否定することもなされなかった。その上で、イメージのみが先行している。全国的にこれを証明できる人がいたら、作家として成功できるかもね。