地方競馬再建案グッドアイデア編

 全国のどこかで既に行われていたら、ごめんなさいという前提で書く。やってるかどうか調べる時間がないので、自分の考えだけを列挙。タイトルも一部パクリました(笑)


 結論を簡単ではあるが先に。地方競馬の予想印をその地域の専門紙がネットで公開するか、あるいは、それが無理ならファンを公式サポーターという形で抱え込んで、主催者が予想ブログ(応援ブログ)等を整理してしまうことは出来ないだろうか。
 (追記:佐賀競馬では予想紙関連サイトを載せて売ってました。)


 そして、前置き。

 岩手を始めとする地方競馬の馬券をどうやって売るか。結局の所、馬券の売上げによって地方競馬が存続(存在)するという方法を採っている以上、馬券の売上げを上げる事が至上命題。もちろん、ばんえいのように独自の文化として認められ、赤字でもOKで存続できるような競馬があれば、それはそれで素晴らしいことだが、ばんえいとてそういうわけではない。


 中央競馬において、他場の特別3レースを発売し始めたのが1997年のこと。その後、2001年に発売レースを最終競走や第三場の全レースに拡大し、2003年秋頃には、一部の場外馬券売り場を除き、全レース発売が可能になった。


 それがもたらした結果についての考察はノモケンのコラムを読んでもらうことにして、ここでは少し違う視点から見てみることにする。つまり、そうした関心や興味の少ない他場開催でも馬券を売る事ができた理由は、中央競馬には「マスメディアの力」があるからだと思われる。競馬ブックを始めとする競馬専門紙だけでなく、全国のほとんどを網羅するスポーツ新聞に少ないとはいえ、馬柱と記者の予想印が掲載される。ホームタウンである競馬場ほどの情報量は当然ないとはいえ、ゼロではない。


 公式サイト等のインフラが整備されてきたことにより、出走する馬の過去成績やレース映像等は日ごとに充実するようになっている。しかし、中央競馬でもそうであるが、他場の未勝利戦の予想をするのに、出走馬のレース映像を細かくチェックする人はそう多くないであろうと思われる。成績ぐらいはチェックするかもしれないが。


 そうしたライトな馬券を買う人にとって、必要な情報とは、成績だけでなく、自分の直感や予想を後押ししてくれる、あるいは、予想を組み立てる上での基礎になる「他者の印」ではないだろうか。

 ばんえいの馬券を買ったり、高知の馬券を買うような人にとっては、当てにならない予想印など必要ないのかもしれないが、何も参考にする手立てのない素人には、自分の直感を後押ししてくれる情報が必要なのではないだろうか、と思う。


 しかし、実際問題として、遠く離れた地方の馬券を買おうとした時に、その競馬場の専門紙を見る事が可能かというと、それは難しい。というか、自分は見た事が無い(不勉強なだけかもしれない)。先日、園田競馬へ行く際には、公式サイトに載っていたスポーツ新聞記者のレース分析を参考にさせていただいたが、そうした情報がないことには、何を買っていいのかわからないというのが、自分自身の体験から感じたものだ。それこそ、数字の羅列である成績を見て馬券を買うのならゲームセンターのスターホースにコインを入れるのと同じ感覚でしかない(とはいえ、馬券を買うのは同じ感覚なのかもしれない)。


 そこで、馬券を売るためには、専門紙とスポーツ新聞などと主催者が提供して、ネットで簡易印だけでも載せられないだろうか。なぜ、そうするかというと、中央競馬でもできていないことを地方競馬の小さな専門紙だけに、それだけのネット環境の設備投資が不可能ではないかと思うからだ。だから、主催者が提携するしかないのではと思う。もちろん、その地域で紙面を直接見られる人々への販売が中心であるわけだから、調教などの詳細な情報は有料の方式を採ってもいいと思う。あるいは、競馬ブックが提供しているFAXサービスを模倣してもいいだろう。


 主催者側が提携という形であっても専門紙やスポーツ新聞等のマスコミを囲い込み、予想を提供するという事に対して、八百長疑惑等の倫理、法的な問題が発生するというのであれば、公式サポーターと称して、ファンによるブログのまとめサイト等を作ってみるのはどうだろうか。中央競馬の予想だけでなく、地方競馬に熱心なブロガーもたくさんいる。そうした人々を公式サポーターとして主催者側が認定し、リンクを張る。プロの専門紙の印を見ることは叶わないが、いつもそこの競馬を見ているファンの目からの予想が見られるという構想だ。


 そして、継続的な活動やその競馬場への貢献が認められ、公式サポーターと認定されれば、その競馬場への入場料がサービスとなったり、あるいは、ちょっと高い指定席なんかで観戦できるなどの付加的なサービスを提供する。公式サポーターには、地方競馬の「宣伝」をしてもらうことに一役担ってもらうことになる。


 知らない競馬場の知らない馬を買うためには情報が必要であり、その情報をいかにして提供することができるか。そして、それは出来る限りローコストでならなければならない。ローコストであろうとすれば、必然的にボランティアに近い一般人の力を借りなければならないと思う。しかし、経営に苦しむ地方競馬場が廃止されれば、困るのは競馬場関係者だけでなく、それをネタにしている専門紙やスポーツ新聞も同様に飯のタネがなくなるのではないか。そうならないためには、全国に、いかにして、商品(レースと馬と予想)を売るかという事を考えなければならない。商品を売るためには、それ相応の広告(情報)が必要になることは言うまでもない。廃止されて困るのは両者同じで、運命共同体なのだから、相互の連携が必要不可欠であると思う。


 地方競馬の馬券は園田でちょこちょこ買うぐらいしかない僕が、こうやって偉そうな事を言うのは普段から地方競馬を見ている人に対して申し訳ない気持ちで一杯であるが、毎週中央の馬券を買うような人にさえ購買意欲を湧き起こさせないのが地方競馬の現状でもあるといえないだろうか。それは、情報の不足という理由が一つには関係しているのではないかと思って、このようなエントリーに至ったのであります。