日本のサラブレッド生産頭数減少傾向続く

 競馬ブックに国内の生産頭数や外国産馬の輸入頭数などの表が記載されていましたので、興味のある方はそれをご覧になるか、ネットを一生懸命探してください。


 2005年の生産頭数は7967頭となり、2001年の8807頭を近年のピークに減少傾向が続いている。種付けする繁殖牝馬の頭数が減ったことの影響がそのまま産駒数の減少に繋がったと思われる。


 しかし、その一方で競馬界全体としてみれば明るい材料も紹介されていた。それは「外国産馬の輸入増加」である。外国産馬は1997年の453頭をピークに、国内経済の不況の影響と思われる購買力の低下によって、年々減少傾向にあったが、2001年の315頭以来の300頭台を回復する326頭の輸入があった。


 これは、国内景気の回復が大きく、庶民レベルでの景気回復はまだまだという感じであるが、馬主レベルの人々の間では好況であることと。詳しく調べたわけではないのだが、オーストラリアや南半球からの輸入が近年の活躍馬の影響を受けて、増加しているのではないかというのが個人的印象。


 外国産馬の活躍の指標となるNHKマイルCの出走馬。今年の外国産馬の登録は5頭ぐらいになりそう。96年の創設から02年までずっと続いてきた外国産馬の連対は03年で途絶えたが、03から05年までは内国産馬(持ち込みも含む)が制している。


 外国産馬が強かった時代の連対馬はほとんど関東馬。それも合わせてみると、このレースも時代の流れを象徴しているのかと思わせる。


 話を戻して、近年では国内で行われるセレクトセールブリーズアップセールが好況であると聞くが、それでもなお外国産馬の輸入が増えているというのは、買い手のお金持ちの方々に余裕が生まれてきたのか。


 その一方で、国内の生産頭数が減少しているのは、北海道を主とする馬産の大部分が家族型経営であり、そうした人々が不況の影響を被ったことが原因ではないかと思われる。


 社台グループはサンデーサイレンス亡き後も好調のセレクトセールに代表されるように規模を拡大し成績も右肩上がり(クラシック完全制覇などのように)。


 つまり、買う側に余裕は生まれてはいるが、それが社台グループに逃れていて、家族型経営の牧場にまでは行き届いていないという仮説が立てられる。まぁ事実であるかどうかは、時間をかけて取材やらをしないとわからないけど。


 地方競馬も続々と廃止され、競走馬需要が減少していることは事実であろうが、生産頭数が減少すれば、それだけ「名馬」が生まれる可能性も低くなるはず。一部には、繁殖の数を絞り少数精鋭にした結果、産駒成績を伸ばした牧場もあるが、生産ベースである母数が減少すれば、分子の活躍馬が生まれる確率も少なくなるというのが一般的な仮説。


 いち競馬ファンが生産がどうこう言うのはおこがましいが、北海道で競走馬生産をされている方々には、何とか頑張っていただきたいと思うわけである。